2008年11月29日。「こだま638号」岡山行きに広島から乗車した。翌日の30日は0系新幹線の定期運転最終日で、0系「こだま」の指定席の切符は1ヶ月前の発売と同時に売り切れたという。11:01に下りの0系「こだま639号」博多行きが11番線に入線し、9分間停車。発車時にはホームは騒然となった。19分後の「こだま638号」の到着時間が近づいてくると、14番線も人が増えてくる。
6両編成の「こだま」は普段は4号車のみ指定席車であるが、この日は4号車と5号車が指定席車。JRも商売上手である。0系といっても、窓が横長だった初期型ではなく、窓幅が狭くなった後期型の車輌。塗り分けはなつかしいアイボリーとブルーに戻されている。
車内は以前から2列−2列に改装されていて、元グリーン車の座席なのでゆったり座れる。駅を出ると車内放送が流れるが、チャイムは「いい日旅立ち」のメロディーではなく、ポンピンパン・ポーンという昔のものに戻されていた。0系に名残を惜しもうと、車内も途中の停車駅のホームもカメラやビデオを持った人が行き来して、落ち着かない。停車時間の長い東広島や三原では停車中に写真を撮ろうと車外に出る人もおり、「撮影をされる方は黄色い線の内側からお願いします。転落事故防止にご協力下さい」という車内放送が流れる。福山で降車し、岡山を目指して出て行く0系の姿を見送った。各駅には500系「こだま」8両編成用の緑色の乗車位置掲示が早くも用意されていた。