琵琶湖疎水

 琵琶湖の水面は京都の標高よりもかなり高い。琵琶湖疎水は明治のはじめ、琵琶湖の湖水を京都の上水・発電・灌漑などに利用できないかと考えた田辺朔郎が立案した。疎水に沿って湖畔から三井寺まで15分ほどの散策が楽しめる。琵琶湖疎水は、京阪電鉄石山坂本線三井寺駅を降りてすぐ。

三井寺の桜

 「三井の晩鐘」で知られる三井寺は、京阪電鉄石山坂本線三井寺駅から琵琶湖疎水沿いに西へ徒歩10分。鐘は仁王門をくぐって金堂に着くと左手にある。慶長7年(1602)、准三后道澄の作で、宇治平等院、高雄神護寺の鐘と合わせて、三名鐘という。京阪石坂線沿線には、日吉大社、瀬田の唐橋、石山寺など名所旧跡が多い。

猿沢の池と五重の塔

 興福寺は南都七大寺のひとつ。法相宗の大本山。和銅3年(710)に藤原不比等が現在の地に創建した。猿沢の池は興福寺南大門の放生池としてつくられ、今でもカメが泳ぐ姿が見られる。猿沢の池と興福寺へは近鉄奈良から徒歩3分、JR奈良から、きれいに舗装された商店街をゆっくり歩いてくるのもよい。

花時計

 三ノ宮は神戸の中心地。JRと阪急が高架駅、阪神が地下駅である。駅名はJRが「三ノ宮」、阪急、阪神は「神戸三宮」である。阪急は一つ西の「花隈」から地下鉄の神戸高速鉄道に乗り入れ、「高速神戸」で阪神と合流する。姫路からは山陽電鉄が「阪急三宮」「阪神梅田」まで乗り入れている。花時計へは、駅から南へ徒歩約5分、神戸市役所前。

元町中華街

 神戸は慶応3年(1867)に開港され(当時の地名は兵庫)、その後、日本有数の港町へと発展した。元町中華街は、地元では「南京町(なんきんまち)」の名前で親しまれている。中華料理店や食材屋など色とりどりのお店が並ぶ。中華街へは、JR元町駅から南へ徒歩3分。三ノ宮からだと約15分で行ける。

大原美術館

 倉敷は江戸時代には天領であったので、城下町の岡山とは町の雰囲気が少しちがう。大原邸は、倉敷紡績(クラボウ)の大原家の祖先で、綿の仲買で財をなした豪商、児島屋の蔵屋敷。向かい側には大原美術館がある。倉敷美観地区は、倉敷駅から南へ徒歩10分。鯉が泳ぐ倉敷川の畔に美しい町並みが約1キロ続く。

福山城の桜

 福山城は、元和7年(1621年)に水野勝成が築いた。水野藩は5代目で断絶、そのあと松平忠隆、3年後に阿部政邦が転じてき、明治維新までつづく。福山駅は福塩線との分岐駅。1階がコンコース、2階が在来線ホーム、3階が新幹線ホームというユニークな構造である。福山城は福山駅北側正面にある。

厳島神社大鳥居

 厳島神社は、仁安3年(1168)平清盛によって造営された。重要文化財の大鳥居は、高さ16メートル、脚は海底に埋められているのではなく自重で立っている。宮島へは、JR宮島口・広島電鉄宮島から歩いてすぐの宮島口桟橋から連絡船で10分。標高530メートルの弥山(みせん)頂上までハイキングコースもある。(写真は宮島側から撮影)

錦帯橋

 錦帯橋は、世界でもめずらしい5連アーチの木造橋。吉川広嘉によって延宝元年(1673)に架けられたが、翌年大洪水によって流された。架け替えられた二代目の橋は1950年のキジア台風によって惜しくも流失。1953年1月、三代目の橋が完成した。現在の橋は平成の架け替え工事を経たものである。錦帯橋へは岩国駅からバスで20分。

城崎温泉街

 城崎は、枝垂れ柳がゆれる大渓川(おおたにがわ)沿いに東西1キロあまり、旅館が並ぶ温泉街である。8世紀に道智上人によって現在の「まんだら湯」が開かれたという。お湯は40〜75℃で弱食塩泉である。冬には土産物屋においしそうなカニが並ぶ。城崎温泉街へは山陰線城崎駅から徒歩3分。

浜田城址

 元和5年(1619)に古田重治がこの城を築いた。その後、松平−本多−松平と18代続いたが、松平武聡のとき長州藩の四境戦争で、村田蔵六(大村益次郎)ひきいる長州軍に攻められ落城する。城山公園には、司馬遼太郎の「浜田藩追懐の碑」がある。城山頂上へは浜田駅から徒歩約30分。

津和野川

 津和野は、津和野川に沿った亀井氏4万3千石の城下町で、幕末・維新期には多くの俊才を輩出した。今でも西周(にしあまね)や森鴎外の生家跡が見られる。季節々々に貴婦人C57が『SL山口号』として新山口−津和野間を走る。津和野へは、新山口から山口線の特急『スーパーおき』で約1時間。