下関ー徳山 (113.2km)

下関は3面6線の高架駅。山陽本線の終着駅である。西からは関門トンネルを抜けてJR九州の列車も入ってくるので、派手なJR九州の車輌と地味なJR西日本の車輌が並ぶ姿が見られる。列車は115系4両編成の各駅停車。高架を降りて山陰本線の分岐駅の幡生(はたぶ)に到着。幡生にはJR西日本幡生工場がある。新下関では新幹線の高架を斜めにくぐる。長府(ちょうふ)は長門の国の国府があったところ。ホームにある朱塗りの常夜灯が目を引く。小月(おづき)を過ぎ、トンネルを2つ抜けると埴生(はぶ)。山間部の切り通しを抜けて新幹線の高架が近づいてくると厚狭(あさ)。長門市へ向かう美祢線(みねせん)の分岐駅。山口県ではなんと5つ目の新幹線停車駅となる。新幹線の高架を離れて山間部の切り通しを走り小野田。小野田線との分岐駅。つぎの宇部は宇部線との分岐駅。田園地帯を走り厚東(ことう)、丘陵の切り通しを抜けて本由良(ほんゆら)。また田園地帯になり嘉川(かがわ)。やがて測線が次々と分岐して小郡(おごおり)に到着。山口線、宇部線との乗り換え駅。季節によってSL山口号の姿が見られることもある。新幹線の高架を離れ四辻(よつつじ)。田園風景になり大道(だいどう)。佐波川を渡り高架線になって防府(ほうふ)。島式ホームの近代的な高架駅になった。防府は周防の国の国府があったところで、防府天満宮がある。地上に降りて、右手に広々とした海の景色が見えてくると富海(とのみ)。このあと、海・トンネル・海・トンネルと山陰本線を思わせる景色が続く。戸田(へた)は田んぼの中の駅。福川(ふくがわ)は青い互屋根の駅舎である。新南陽は多くの測線をもつ大きな駅。新幹線の高架が近づいてきて、しばらく高架下を走ると徳山に到着する。
徳山ー広島 (110.2km)

徳山からも115系の4両編成の各駅停車。しばらく新幹線の高架下を走り、櫛ヶ浜(くしがはま)。岩徳線との分岐駅である。次は下松。阪和線にも下松(しもまつ)駅があるが、こちらは「くだまつ」。下松を過ぎて右手に少し海が見え、光。つぎの島田(しまた)からトンネルを2つ抜けて山間部に入る。岩田を出てまたトンネル。田布施(たぶせ)あたりまでは田園風景。柳井(やない)を出てつぎの柳井港(やないみなと)を過ぎると右手に海の景色が大きく開ける。大畠(おおばたけ)では周防大島が正面にくる。トンネルを抜けて、神代(こうじろ)。海の景色が続き、由宇(ゆう)、通津(つづ)。砂浜を眺めながら藤生(ふじゅう)。海から離れて南岩国。つぎの岩国は岩徳線と錦川鉄道の分岐駅である。工場の煙突の向こうに宮島の姿が見え始めると大竹。側線の多い大きな駅である。大竹からは広島県。大きく左に曲がって玖波(くば)。やがて宮島が正面にくる。大野浦を過ぎて宮島口。駅弁は『あなご飯』が有名。おいしい焼穴子がたっぷりのっている。広島電鉄宮島線が右手に寄り添ってきて、着かず離れず並走する。次は阿品(あじな)。短いトンネルを抜けると宮内串戸。廿日市(はつかいち)を過ぎて、広島市内に入り五日市(いつかいち)。新井口(しんいのくち)を出ると広島電鉄荒手車庫が南側にあり、広電の様々な電車の姿が眺められる。西広島は広電西広島と向かい合う。高架に上がって横川。信越本線の横川(よこかわ)と違って、「よこがわ」と読む。新幹線の高架下にある可部線との分岐駅。可部線下りは広島側で山陽本線上り線を平面交差する。高架から降りて列車は速度を落とし、ゆっくりと広島に到着。
広島ー福山 (103km)

広島からは115系4両編成の快速。向洋(むかいなだ)・海田市(かいたいち)・安芸中野(あきなかの)・中野東の各駅は通過する。海田市は呉線との分岐駅。安芸中野から瀬野川に沿って徐々に山間部に入ってゆく。やがて瀬野に到着。瀬野と八本松(はちほんまつ)との間は22.5パーミル(1000分の22.5)の上り勾配が連続する難所で、駅間距離が10.6キロもある。カーブやトンネルが多く、山岳鉄道の雰囲気を楽しめる。瀬野には補助機関車の引き込み線の跡が残っている。八本松からは各駅停車となる。西条。西高屋・白市(しらいち)・入野(にゅうの)・河内(こうち)と内陸部をとおる。入野の手前は入野川に沿った急曲線区間で、列車は風を切る音をさせながらS字カーブを快走する。本郷を過ぎると、右手に小早川隆景の城跡が見える。トンネルを潜ると高架線となり、呉線と合流して三原。一段高い新幹線の高架と並んでいる。駅弁は『たこめし』がおすすめ。柔らかく煮付けたタコこがおいしい(10月〜5月の期間限定)。三原を出てしばらく高架線を走り、地上に降りて糸崎。ここで乗務員の交代がある。引き込み線には何本もの列車が留置してある。糸崎を出ると車窓から瀬戸内海の景色が眺められる。しばらく走ると尾道(おのみち)。左手の山側には千光寺をはじめ、数多くのお寺がある。尾道を出ると線路は右・左に大きくうねる。東尾道・松永・備後赤坂(びんごあかさか)と停まり、山陽新幹線の高架が接近してきて芦田川橋梁から電車は一気に高架線を駆けて福山に到着。福山は福塩線経由で井原鉄道の列車も乗り入れてくる。駅のすぐ北側には福山城がある。
福山ー岡山 (58.3km)

福山からは快速『サンライナー』。転換クロスシート117系の4両編成。かつて米原−姫路間を新快速として駆け抜けた名車である。『サンライナー』は山陽本線ではめずらしいワンマン運転。福山駅を出発し高架線から地上に降りて東福山を通過する。新幹線の高架下から離れて大門(だいもん)も通過。大門は急曲線上にある駅なので、カント(左右のレールの高低差)が大きくつけてあり、停車すると車両がかなり傾くので捨てられた空き缶が転がる。少し海が見えて、短いトンネルを抜けると笠岡に停車。笠岡は風情のある海の町。ここから岡山県になる。緑の陸橋をくぐって里庄(さとしょう)、グレーの陸橋をくぐって鴨方(かもがた)も通過。つぎの金光(こんこう)は臨時乗降口もある立派な駅である。金光教本部のおひざもと。やがて新幹線の高架が近づいてきて新倉敷に停車。もうこのあたりは吉備平野に入っており、景色が広々としてくる。ゆったりと流れる高梁(たかはし)川を渡って西阿智を通過。南側から水島臨海鉄道、北側から伯備線の線路が寄りそってくると、ほどなく倉敷に到着する。中庄(なかしょう)と庭瀬は通過。伯備線の下りは、倉敷−中庄間で山陽本線をオーバークロスする。やがてレールが次々と分かれてゆき、宇野線の高架の下を通り抜けて、終点の岡山に到着する。名物駅弁は、『桃太郎の祭り寿司』。エビ、ママカリ、コノシロ、蓮根、椎茸などが、ご飯のうえにのったにぎやかなばら寿司である。
岡山ー姫路 (88.6km)

岡山からは113系4両編成の各駅停車。岡山を出てしばらくは新幹線の高架に沿って走る。旭川、百間川を渡り、高島。つぎの東岡山は赤穂線との分岐駅。上道(じょうとう)は福塩線の道上(みちのうえ)と好対照。境線にも上道があるが、こちらは「あがりみち」と読む。新幹線の高架から離れて瀬戸。万富を出て吉井川を渡る。熊山を過ぎると緑が深くなり、左手に吉井川の大きな景色が見渡せる。和気(わけ)では、かつて同和鉱業片上鉄道が接続していたが、南側にあった旧ホームはきれいに取り除かれてしまい、今では廃線跡もほとんどわからなくなっている。和気を出ると吉永。景色が大きく広がり三石。船坂トンネルを抜けると鬱蒼とした山間部になる。次は木造の跨線橋がうつくしい上郡(かみごおり)。智頭(ちず)急行との接続駅でここからは兵庫県。智頭急行は高架線からカーブを描いて神戸向きに入ってくる。千種(ちくさ)川を渡って、有年(うね)、再び新幹線の高架に寄りそって相生(あいおい)。赤穂線との分岐駅である。名物駅弁は『瀬戸のしゃこめし』で、立派なシャコが4ひきのっている(現在は販売されていません)。相生を出ると竜野(たつの)。つぎの網干(あぼし)の西側には網干電車区があり、113系や221系などたくさんの電車が休んでいる。英賀保(あがほ)は姫路市の近郊駅。やがて山陽電鉄線をアンダークロスして終点の姫路に到着。姫路駅は現在、高架化に向けての工事が着々と進められている。国宝姫路城(白鷺城)の天守閣が駅の北側に見える。
姫路ー大阪 (87.9km)

姫路からは221系8両編成の新快速長浜行き。姫路を出ると、しばらく高架線を走り、地上に降りて御着(ごちゃく)・曽根・宝殿を通過。最初の停車駅は加古川。加古川線の分岐駅。東加古川・土山・魚住(うおずみ)・大久保は通過して西明石に停車。新幹線の停車駅。つぎの明石(あかし)は高架駅で、北側に明石城が見える。南側には高架の山陽電鉄明石駅が並んでいるが、後にできた山陽の方が少し高い。明石を出ると、東経135度の子午線がとおる明石天文科学館が北側に見える。明石をでると朝霧を通過し、山陽電鉄をアンダークロスして山陽電鉄線の南側に出て舞子も通過。垂水(たるみ)・塩屋・須磨も通過する。白砂青松の景色に明石海峡大橋と淡路島が見える。神戸市街に入り鷹取も通過。北側にはJR西日本鷹取工場がある。新長田・兵庫も通過し神戸に停車。神戸は東海道本線の終点・山陽本線の起点で、両線のキロポストがある。神戸からは方向別複々線になる。つぎの元町は通過し、三ノ宮に停車。兵庫から三ノ宮まですべて高架駅。三ノ宮を出るとしばらく北側の阪急と並走する。阪急と分かれ、地上に降りて灘を通過。六甲道・住吉・摂津本山(せっつもとやま)・甲南山手も通過して、芦屋に停車する。つぎの西宮は通過。阪急今津線の高架をくぐり、甲子園口・立花も通過し、福知山線と合流すると尼崎に停車する。尼崎は東西線の開通により近代的な駅に生まれ変わった。ここからしばらく3複線。神崎川を渡ると大阪府にはいる。東西線の複線が地下に消えてゆき複々線に戻る。やがて新幹線の高架が大きく迂回して近づいてくる。再び高架になり塚本を通過し、淀川橋梁を渡って大阪に到着する。
大阪ー長浜 (118.2km)

大阪を出て再び淀川を渡り、再び地上におりて新大阪に停車。在来線は新幹線の高架下をほぼ直角に交差する。新大阪からわずか0.7キロの東淀川を通過。吹田(すいた)・千里丘・茨木・摂津富田(せっつとんだ)も通過し、高槻(たかつき)に停車する。山崎は通過して京都府に入り、阪急線をオーバークロスして神足(こうたり)から改名した長岡京、電車区のある向日町(むこうまち)も通過する。新幹線の高架下にある西大路(にしおおじ)も通過して京都に停車する。京都は山陰本線と奈良線の分岐駅である。京都を出ると東山トンネルを抜けて山科(やましな)に停車。山科からは湖西線が分岐する。南側には京阪電鉄京津(けいしん)線の山科がある。滋賀県に入り、新逢坂山トンネルを抜けて大津に停車。膳所(ぜぜ)は通過し、石山に停車する。瀬田川を渡り瀬田を通過。北側には「瀬田の唐橋」が見える。南草津も通過して草津線の分岐駅の草津に停車する。ここで西明石から続いた複々線が終わり複線に戻る。栗東(りっとう)は通過して、守山・野洲(やす)に停車。右手には、『近江富士』三上山の姿が見える。篠原は通過し、近江商人のふるさと近江八幡(おうみはちまん)に停車する。近江鉄道との連絡駅。安土城址がある安土山を左に見ながら安土を通過して、能登川(のとがわ)に停車。稲枝・河瀬・南彦根は通過して、彦根と米原に停車する。両駅とも近江鉄道との連絡駅である。米原からは北陸本線に入り、坂田・田村と止まって、終点の長浜に到着。近くには長浜鉄道資料館がある。かつては、米原から先の北陸本線は全線交流区間であったが、1991年に長浜まで直流化され、新快速電車が北陸本線に乗り入れるようになった。
米原ー名古屋 (79.9km)

米原からはオレンジ色の帯を巻いた117系。大垣までの各駅に停車する。最初の停車駅は醒ヶ井(さめがい)。近くには醒ヶ井養鱒場がある。米原の名物駅弁『元祖鱒寿司』は、ここのニジマスでつくっている。しばらく木立に囲まれた線路を走り、景色が開けてくると近江長岡。ここから丘陵を避けるように線路は大きく南へ迂回する。伊吹山を左手に見ながら柏原(かしわばら)を出ると、ずっと切り通しが続く。新幹線をオーバークロスし、短・長2つのトンネルを抜けると関ヶ原。左手には「関ヶ原古戦場」の看板が見える。このあたりはお茶の産地で、茶畑が続く。関ヶ原から迂回線が分岐し、垂井(たるい)の手前で本線が迂回線をアンダークロスする。大垣の手前で今度は迂回線をオーバークロスし、美濃赤坂からの支線も合流して、終点大垣に到着。大垣は、近鉄養老線・揖斐線、樽見鉄道との接続駅。2分の接続で、新快速豊橋行きに乗換え。揖斐川を渡って高架駅の穂積を通過、長良川を渡って西岐阜も通過する。やがて高架線となり岐阜に停車する。岐阜駅は高山本線の分岐駅。島式3面6線の高架駅になった。駅から北へ10分ほど歩くと、美川憲一の歌で有名な柳ヶ瀬商店街がある。長大な木曽川橋梁を渡り、高架駅の尾張一宮に停車。右側にはやはり高架駅の名鉄新一宮が並ぶ。つぎの稲沢は通過、清洲も通過し、庄内川を渡って枇杷島も通過する。名鉄線をオーバークロスしてしばらく並走し、左手になった名鉄線が地下に消えていくと名古屋に到着。名古屋駅は現在改装中である。