相乗り

一つの器に違った種類のそばを盛り分けたもののこと。合盛りともいう。そばとうどんの相乗りもある。(さらしなと柚子切り 福岡 あ三五)
浅蜊そば

アサリ貝をのせたかけそば。アサリはかけ汁で煮て蓋をひらかせる。アサリの味がとけでて磯の香りがする。(あさりそば 伊丹 都そば伊丹店)
熱もり

熱いもりそばのこと。茹でたそばを水洗いしたあと、再び湯に通すことから「湯通し」ともいう。熱いつゆにつけて食べる。(せいろ 堺 ちく満)
穴子そば

焼き穴子を上置きにしたかけそば。穴子はかえしで味付けがしてある。葱をそえると「穴子南蛮」ともいう。(穴子そば 福岡 あ三五)
霰そば

かけそばの上に海苔をしき、小柱をあられのように散らしたもの。おろしわさびをそえる。小柱とはバカガイの貝柱。(霰そば 福岡 あ三五)
あんかけそば

かけつゆに葛粉か片栗粉でとろみをつけたあんをかけたかけそば。おろした生姜をうえにおとす。(あんかけそば 神戸 御旅松濤庵)
田舎そば

挽きぐるみそば粉で打った太打ちのそばのこと。色が黒く香りが強い。喉ごしよりも噛みごたえを味わうそば。(十割田舎そば 奈良 鴟尾)
梅おろしそば

梅干しと大根おろしをのせたそば。大葉や鰹節、ワカメなどをそえ、冷たいつゆをかけて食べる夏向きのそば。(梅しおろしそば 福岡 あ三五)
梅切り

さらしな粉に梅肉を練りこんで打った変わりそば。鮮やかな紅色は紫蘇酢によってだす。冷たいつゆをかけて食べる。(お初そば 大阪 瓢亭)
梅とじそば

たまごとじに梅干しや梅肉をのせたかけそば。さっぱりとした梅とふわふわの卵とじの組合せは意外と出合い。(梅とじそば 大阪 喜庵)
おかめそば

湯葉が髪、蒲鉾が頬、三つ葉と卵焼でひょうきんなおかめの顔になる。本来は鼻に松茸を使う豪華な季節料理だった。(おかめそば 姫路 御座候)
おくらそば

オクラを細かくたたいて粘りをだし、そばつゆでのばしてから、冷たいさらしなそばのうえにかけたもの。(おくらそば 福岡 あ三五)
親子あんかけ

親子南蛮のあんかけ。鳥肉と葱がなければけいらん。鳥肉と葱がなくあんかけにもしなければ玉子とじになる。(あんかけそば 神戸 花こばこ)
親子南蛮

鴨肉あるいは鶏肉と短冊切りの葱を玉子とじにして、熱いそばにのせたかけそば。「南蛮」とは葱のこと。(親子なんば 京都 本家尾張屋本店)
おろしそば

大根おろしを上置きにしたそば。冷たいつゆをかけて食べる。越前そばでは大根おろしが予めつゆに混ぜてある。(おろしそば 広島 いいづか)
牡蠣そば

カキを上置きにしたかけそば。カキはごま油で軽く焦げ目をつけ海苔をしいたうえにのせる。おろしたわさびをそえる。(牡蠣そば 福岡 あ三五)
牡蠣せいろ

カキ汁とせいろの組み合わせ。つゆは濃いめにする。鴨せいろとならんで冬の季節の花形そば。(かきせいろ 大阪 風流田舎そば Whityうめだ店)
かけそば

茹でたそばを水洗いし、湯通ししてから熱いつゆをかけたもの。「かけ」ともいう。「もりそば」「もり」との対語。(かけそば 姫路 御座候)
かすそば

油かすを上置きにしたかけそば。本来はうどん台。油かすとは牛の腸を脂でカリカリになるまで揚げたもの。(かすそば 伊丹 月山そば本店)
釜揚そば

ゆでたての熱いそばをゆで汁ごと器に入れて供し、熱いつゆにつけて食べる。出雲では冷たい濃いつゆをかけて食べる。
(釜揚そば 大阪 マルト)
鴨せいろ

鴨汁ともりそばの組み合わせ。そば料理ではくせのないアイガモがつかわれる。「鴨ざる」「鴨汁そば」とよぶ店もある。(鴨せいろ 大阪 瓢亭)
鴨南蛮

鴨肉と葱をのせたかけそば。鴨肉の代わりに鶏肉を用いることもある。関西では「鴨なんば」ともいう。(鴨なんば 京都 晦日庵河道屋本店)
加薬そば

玉子焼きや鶏肉、野菜や湯葉などの具をにぎやかにのせたかけそば。加薬とは飯や麺に加える具や薬味のこと。(かやくそば 大阪 美々卯本店)
カレーそば

かけつゆにカレー粉を溶かし込み片栗粉でとろみをつけたあんかけそば。葱をいれて「カレー南蛮」ともいう。(カレーそば 神戸 信そば長野屋)
瓦そば

焼いた瓦に茶そばをのせた下関地方の郷土料理。肉と錦糸玉子,海苔と葱ものっており、熱いつゆにつけて食べる。(瓦そば 葛城 はしもと商店)
変わりそば

旬のものをさらしな粉に練り込んだそば。紅、緑、黄など色鮮やかなものは「色もの」という。(柚子切りと胡麻切りとさらしな 福岡 あ三五)
寒晒しそば

秋新の玄そばを厳寒期に清水に晒し、よく乾燥させてから殻をのぞいて挽いたそばのこと。上品な味わいが特徴。(寒ざらしそば 大阪 芦生)
きざみそば

きざみ揚げをのせたかけそば。きつねそばと違って揚げは甘辛く味付けしない。「きざみきつね」ともいう。(きざみきつね 大阪 総本家更科)
きつねそば

甘辛い味付けの薄揚げをのせたかけそば。大阪ではうどんは「きつね」「しのだ」そばは「たぬき」と区別する。(たぬきそば 大阪 信濃そば)
木の芽切り

木の芽をさらしな粉に練り込んだ変わりそば。木の芽とは山椒の若芽のこと。春の香りを楽しむそば。(木の芽切りとさらしな 福岡 あ三五)
けいらん

かけ汁に片栗粉か葛粉でとろみをつけ、とき玉子を加えたあんかけそば。「かきたま」ともいう。おろし生姜をそえる。(けいらん 大阪 瓢亭)
胡椒そば

胡椒の実をのせたかけそば。そばと胡椒は意外とよく合う。ぴりっとした胡椒の辛みがさらしなそばをひきたたせる。(胡椒そば 福岡 あ三五)
胡麻切り

煎った黒胡麻を粒状にしてさらしな粉に練り込んだ変わりそば。胡麻の粒々がみえて、ほのかに胡麻の香りがする。(胡麻切り 福岡 あ三五)
コロッケそば

コロッケを上置きにしたかけそば。かけつゆにとけていくコロッケが妙味。立ち食いそばの定番メニュー。(コロッケそば 大阪 潮屋梅田店)
昆布そば

おぼろ昆布やとろろ昆布をのせたかけそば。おぼろは昆布を表面から、とろろは重ねた昆布を小口から削ってつくる。(昆布そば 神戸 なにわ)