納豆そば

 納豆と玉子をまぜてよく泡立たせたものを上置きにしたそば。海苔やきざみ葱を散らす。温冷両方ある。(有喜そば 京都 有喜屋先斗町本店)


菜の花そば

 かるく塩ゆでした菜の花を上置きにしたそば。春のかおりをたのしむ季節のそば。冷たいつゆをかけて食べる。(菜の花そば 福岡 あ三五)


鍋焼きそば

 土鍋や鉄鍋で煮込んだそば。具は玉子、鶏肉、椎茸やエノキ、ネギ、蒲鉾、焼き穴子など。鍋焼きうどんのそば版。(鍋焼きそば 明石 一山)


なめこそば

 ナメコをのせたそば。ナメコの食感がそばとよく合う。大根おろしをそえて冷たいつゆをかけて食べる。(なめこそば 大津 本家鶴喜そば本店)


肉そば

 甘辛く味付けした牛肉や豚肉と葱をのせたかけそば。「肉南蛮」と同じ。明治の初めに「開化南蛮」として登場した。(肉そば 大阪 総本家更科)


肉とじそば

 肉そばを玉子とじにしたもの。獣肉と鶏卵をつかう「他人どんぶり」に合わせて「他人そば」とよぶ店もある。(肉とじそば 大阪 総本家更科)


二色盛り

 2種類の違ったそばを盛り分けること。相乗りとちがって、別々の器に盛ったものもさす。(鴨せいろそば二色盛り 神戸 正屋さんちか店)


鰊そば

 身欠きニシンを甘辛く煮たものをのせたかけそば。明治の初め京都四条大橋東詰『総本家松葉』で考案された。(にしんそば 京都 総本家松葉)


二八そば

 小麦粉とそば粉の配合割合が二対八のそば。そばの歯ごたえとのど越しは、そば粉十割のそばにまさるかもしれない。(二八 福岡 あ三五)


葱そば

 ネギを一面にしきつめたかけそば。本来は脇役であるネギを主役にしたそば。さわやかなネギの香りを楽しむ。(九条ねぎそば 大阪 あたり屋)


のっぺいそば

 椎茸、蒲鉾、野菜、湯葉、鶏肉などの具をのせた卓袱をあんかけにしたもの。おろし生姜をそえて食べる。(のっぺいそば 京都 生そばもり平)


ハイカラそば → たぬきそば


花巻

 かけそばのうえに海苔をしきつめ、おろしわさびをそえる。シンプルだが奥深い一品。小柱をのせれば「霰そば」になる。(花巻 福岡 あ三五)


冷やかけ

 ゆでたそばを水洗いし冷たいつゆをかけるぶっかけそば。熱いかけは後に生まれたもの。(冷やしぶっかけそば 神戸 おらが蕎麦プリコ三宮店)


冷やしきつね

 冷やかけのきつねそば。冷たいつゆをかけて食べる夏向きの食べ方。きつね揚げの甘さが強調される。(冷やしきつねそば 広島 いいづか)


冷やしそば

 冷やしそうめんのそば版。氷のうえにさらしなそばをのせて、冷たいつゆにつけて食べる夏向きの食べ方。(冷やしそば 神戸 御旅松濤庵)


冷やしたぬき

 冷やかけのたぬきそば。天かすの脂が冷たいつゆにまじって美味。夏場に限らず一年をとおして人気がある。(冷やしたぬき 広島 いいづか)


ぶっかけそば → 冷やかけ


へぎそば

 フノリをつなぎにした新潟県魚沼地方発祥の郷土そば。ツルッとした食感が特徴。片木(へぎ)に盛られて供される。(へぎそば 生駒 直江津)


ぼっかけそば

 ぼっかけを上置きにしたかけそば。ぼっかけとは、牛すじ肉とこんにゃくを甘辛く煮たもの。本来はうどん台。(ぼっかけそば 神戸 味沢長田店)


松茸そば

 松茸をもちいたかけそば。松茸はうすく切ってかけつゆでゆでてある。焼松茸にすることもある。(松茸そば 大阪 風流田舎そば Whityうめだ店)


みぞれそば

 大根おろしをもちいたそば。大根おろしをみぞれにみたてている。江戸時代には豆腐を用いたものもあった。(みぞれそば 京都 晦日庵河道屋)


茗荷そば

 さらしなそばの上に細く刻んだ茗荷をのせたもの。冷たいつゆをかけて食べる。さっぱりとした夏向きのそば。(茗荷そば 福岡 あ三五)


めかぶそば

 味付けしたメカブを包丁でたたいて、さらしなそばにかけたもの。めかぶとはメカブラ。ワカメの茎の根元の部分。(めかぶそば 福岡 あ三五)


もずくそば

 さらしなそばにもずくをかけたもの。もずくはあらかじめ三杯酢で味付けしてあり、おろし生姜をそえる。(もずくそば 福岡 あ三五)


もりそば

 ゆでたそばを水洗いして水切りし器に盛ったもの。冷たいつゆで食べるそば本来の食べ方。「もり」ともいう。(もりそば 奈良 かえる庵)


焼き茄子そば

 焼き茄子をのせたそば。茄子は皮ごと焼いてある。生姜をきかせて味付けし、冷たいつゆをかけて食べる。(焼き茄子そば 御所 そば小舎)


やまかけそば

 ヤマイモのとろろ汁をかけたそば。とろろはそばつゆでのばす。鶏卵や鶉の卵の黄身を落とす。温冷どちらもある。(やまかけそば 福岡 あ三五)


柚子切り

 さらしな粉に柚子の皮をすり込んだ変わりそば。熱盛りにすると柚子の香りがひきたつ。洒落て「夕霧そば」ともいう。(夕霧そば 大阪 瓢亭)


湯通し → 熱もり


湯葉そば

 湯葉をのせたかけそば。湯葉は豆乳を煮てできたうす皮を掬ってつくる。生湯葉と湯でもどす干湯葉がある。(古代そば 大津 本家日吉そば)


蓬切り

 蓬の葉をゆでてすりつぶし、さらしな粉にねり込んだ変わりそば。「草切り」と同じ。実物はもっと鮮やかな緑色。(よもぎ切り 福岡 あ三五)


利休麩そば

 利休麩をのせたかけそば。京都『本家尾張屋』で考案された。利休麩は、味付けした麩を油で揚げたもの。(利休そば 京都 本家尾張屋本店)


わかめそば

 ワカメの葉の部分を上置きにしたあっさりとしたかけそば。ワカメは食物繊維やミネラル分を豊富に含む。(梅わかめそば 神戸 松屋加納町店)


若竹そば

 筍を上置きにしたかけそば。筍の味がつゆにしみ、春の香りを楽しむ。菜の花やわかめをそえる。(若竹そば 大阪 風流田舎そば Whityうめだ店)


割子そば

 割子に入ったそば。割子は出雲そばで用いられる容器。冷たいつゆをかけて食べる。一人前はふつう三段か五段。(割子そば 広島 いいづか)
→ 割子そばの食べ方